2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

講義(水曜1限)

水曜の1限に講義をしている.朝イチで3回目くらいに休講をすると,あっという間に「なんだこの先生はやる気がないのか」的な空気が蔓延し,受講者が減ってしまう.専門科目なのに他学科の方の学生さんが多いな. 一回目は「ネットワークとは何か」について社…

大月-三原行(7)

長い距離を歩いた.石を見ると書いて「硯」.近くの砕石場からよい石が出た.切り出した石の目を見る.墨を溜める為の窪みとなる「海」と,磨る為の少し高い「陸」.鑿で時間をかけて丁寧に「海」と「陸」をつなぐように薄く丁寧に削り出せば,鋒鋩強く顕れ…

大月-三原行(6)

合宿場のような場所を川村さんに用意してもらって,みんなで自炊をして暮らしている.昨日はお願いして農家に泊まらせてもらった.自然薯をみなですり鉢ですって,火をおこし釜で飯を炊いて食しながら,いろんな話をした.この場所にいろんな人に来てもらい…

大月-三原行(5)

牧野が歩いた道.今の山の頂上を目指して歩いた.沢にたてばブナやシイの巨木の隙間から光がこぼれて,頂上から気温がいっそう低い風が吹き抜けてくる.山頂に出ると,右手に柏島,正面に足摺岬が見えた.スコシ歩けば太平洋まで手が届きそうだ.晴れた日に…

大月-三原行(4)

夜,大月から三原村まで歩いた.ふたつの地域をつなぐということについて自分なりの感覚がほしかった.一見無駄にみえるし,実際無駄に違いない.違いはないのだが,無駄が必要なこともあるのではないかと思う.兎に角夜中に歩きたかった.夜中の12時過ぎに…

大月-三原行(3)

大堂海岸には海沿いの高い場所を通る旧道があり,車も殆ど通らないその道の脇にホルトの巨木群がある.この道を歩いた.ホルトの木はところどころ赤い葉をつけるので,ホルトの木を見分けるためにたぶたび上を見上げることになる.見上げると,そのうち浅黄…

大月-三原行(2)

プラニングにしろデザインにしろ,相手にする土地と向き合うとき,いろんな人と話すことで,その土地の輪郭がだんだんくっきりしてくることがある.自分の思惑を押し付けるのではなく,目の前の人を媒介項として,寧ろその土地自身が語らせているのではない…

大月-三原行(1)

「牧野富太郎と歩く道」というプロジェクトをはじめた.牧野は熊楠や柳田と並び称される明治の植物学者である.94歳まで生きた.当時は富国強兵とはいうけれど,理科教育もままならぬ時代であって,学校の現場からの身近な野山で学べる教材への要望は強かっ…