講義(水曜1限)

水曜の1限に講義をしている.朝イチで3回目くらいに休講をすると,あっという間に「なんだこの先生はやる気がないのか」的な空気が蔓延し,受講者が減ってしまう.専門科目なのに他学科の方の学生さんが多いな.
一回目は「ネットワークとは何か」について社会的ネットワークを例にとり,エイズの伝播や災害時の避難情報の伝達,北京やパリ,イスラム都市の構造を紹介してタナトスの話で時間がきれた.二回目はマラケシュのバザールの生成プロセスの話をした後,ナッシュ均衡パレート最適について鞆の浦保全を題材に話したら時間がなくなった.三回目はネットワークイメージについて,6次のネットワーク原理と過剰負荷理論の話をした後で,モザイクのサブカルチャー都市とゲットー/混成都市の話の違いについて話した.イメージマップの話を宇しようとしたらゴッホの弟テオへの手紙の話になってしまい,,なんというか,雑談が多すぎてぜんぜん講義が前に進んでいかない.

ゲーム理論を教えていると,「相手の気持ちを理論的に考えてしまうことは、その人が親しいほど切なく感じる」という感想をもらったりすることがある.主観から出発する学問を愛したのはハイエクだが,冷静に考えてみると通常の自然科学ではそういうことは少ないのかもしれない.まあでもPhisics from Youとかあるとなんだか身近なところから物理現象の意味を理解していけて楽しそうな気もする.
「クールヘッド,ウォームハート」という言葉がある.冷静な頭は必要だけど,心までそうなる必要はない.というか,その逆の人の方が寧ろ多いのかもしれないが,目の前に居る人と丁寧に向き合うことで,いろんなことを学んでいくことはそんなに悪くはないのではないかと思ってみたり.