しまなみ パン屋

Iryo2008-03-01

しまなみの大島のパン屋さんにいってきました.

夜中の12時過ぎから焼き始めて,2時間釜を熱した後,3時過ぎくらいから15分ー20分くらいで生地を釜に出し入れしながらドンドン焼いていくそうです.釜は手作りで,いろんな家具も古い材木を使ったり再利用のものが多いそうです.

生地は12種類でくるみやブルーベリーなどをまぜて,一日計250個.これを週二回.店に出すようと,通販用に作っているそうです.カフェスペースもあって,その場でジャムを買って食べることもできます.

4人家族で,にこにこ楽しそうに日々の島の暮らしをされていて,実際に田舎で一人で暮らしていくことは存外難しいし,まずお金は大切です.そして生活の単位を小さくして,大きな流通の網からすこしはなれた場所で暮らしことは簡単ではないと思います.しかし案外そいうのは自分が自由の不自由になれきっているせいかもしれません.普通の民家を少し改造して釜と調理場を作って,パンを一生懸命焼いて,でもっておいしいパンが焼ける日になると人がだんだんと集まってくる島パン屋さんの暮らしを魅力的だと感じました.

田舎に産業を誘致したり,大きな施設を作ることは,かつては,いえ今でも難しくはないけれど,そういうややもすると思考停止なモデルとは違う生活の像があるのかもしれない.と思ったりします.しかしだからといって矢鱈な古民家再生やとってつけたような町並みの修景をしてみることに意味があるのかとか,今となっては産地でもなんでもない場所で土産をあてこんで付け焼刃な名物をつくるのも薄っぺらい話であるし,なかなか難しくもあるのですが,しかし兎も角,当たり前の生活がそこにある.という風景を美しいと思います.