横浜 野毛劇場とシーカヤック

Iryo2008-03-10

横浜で野毛劇場のワークショップに参加してきました.

前半は内田さんのハワイイの海洋文化ワークショップで,後半はシーカヤックの体験ツアーでした.

縄文前期の海洋文化がどこに流れ着いたのかというと,ラピュタ族で,それがフライングカヌーといわれるほどの早い帆船技術を生み出し,コロンブスを驚かせたとか.明治政府とアメリカの通商政策の均衡点としてのハワイイ王国の崩壊と日本の移民政策の推進など.なかなか妄想を刺激する話でおもしろかったです.

午後は桜で有名な大岡川をシーカヤックで遡上しました.普段と違う視点場,違う速度,道を歩くひとたちからの暖かいまなざしに,どこか心が温まるような移動体験ができたことは驚きでした.かつて,横浜の運河が栄えていたころに,そこに溢れていたまなざしがシーカヤックに乗ると蘇るようでもあり,こういう活動によって,昔の横浜の大岡川沿いの水辺の風景がもう一度改めて磨かれていくような気がしました.

ワークショップでも話が出ましたが,地球温暖化の原因となるCO2の多くを蓄え固定しているのは海です.そもそも地球ができて間もない時代の大気はほとんどが二酸化炭素で占められていて,その後,レイチェルカーソンによれば,地球から月が飛び出して海ができ(太平洋の岩石と月の石の成分は実は同じだとか),プランクトンや珊瑚など炭酸ガスを吸収する生物が誕生し,大気中の二酸化炭素量は減少したそうですから,海から地球を見直すことは,リーズナブルな気がします.

日本書紀古事記にもカノーという船の名前の記述があることから考えれば,縄文人弥生人に一旦追い出されたとはいいますが,船大工や宮大工といった手先の器用な日本人の木の文化が海洋文化と結びついたことで,環フィリピンだけではなく,ポリネシアミクロネシアという太平洋一帯に海洋文化が花開いたのかもしれません.海沿いの町での風景づくりでは,やはり海からのまなざしが基本になるのではないかと思いました.