バルセロナ行(6)

Iryo2008-09-11

自信をもっていえるほど何かをしているわけではない.しかし,その一方でデザインのような行為をヘっと思ってた節もある.兎に角クライアントのいうことを聞いて制約条件を決めたら,あとは普遍解を出せばいいんだろ.というような軽々しいことを考えていたんだと思う.もちろん,実際の現場ではそういう考えは成り立たなかった.正確にいえば,形式的にコトを済ませることはできるのだが,学会で大騒ぎして議論していたような大仰な施策のたいていは,現場ではいうほどの結果も効力もなく,無力に消えていった.無論,矢鱈な自己表現がいい「デザイン」につながるとも思っていない.ただ,空間や風景に宿っている「何か」を感じ,いかにして「表現」するかを考える上で,徹底した空間と人と人の間の行動理解を試みるというアプローチは役に立たないわけではないとも思っていた.そしてその全く逆に「表現」するという行為にのめりこむことで「理解」するという行為を今よりもっと先鋭化できるのはないかとも思ったのだ.

ガウディはディテールと(当時としてはありえない)構造体がすばらしく美しいと思う.