目黒 蛍の畦道

Iryo2008-06-14

目黒で第三回蛍の畦道祭りに参加してきました.

雨天決行!はいつものことですが,今年は3回目にしてはじめて晴れの予報でした.区長さんも谷口さんも友岡さんもみんな絶対降らないとおっしゃって下さったのですが,前例があるだけにどうも不安です.案の定,パラリと雨粒が頬にあたったりして,快晴の予報のはずが三本杭の方向から俄かに曇天が広がっていき,ますます不安を煽ります.
昼間,プールで泳いでいた松野南小の子供たちが学校に集まり始め,リハーサル・スタート.鬼城太鼓の皆さんが練習をはじめても,暫くは空が気になってしかたありませんでした.

祭りは,子供たちの俳句や作文の発表ではじまったのですが,今年はおにぎりや,よもぎロールに豚汁がふるまわれ,なかなかの盛り上がりを見せました.鬼城太鼓の「兆し」のダイナミックな演奏の中,天気も無事最後まで雨なくステージを終え,いよいよ灯籠点灯式です.

私たちが店を出した畦道カフェは川口くんや亀田くんと一緒にコーヒーゼリーフラペチーノや,たけしくんやかえでちゃんたちの注文に応じたオリジナルドリンクを提供しました.思ったよりも涼しくて暖かい飲み物を用意できなかったのが残念でしたが、次回に向けてメニューをブラッシュアップしていきたいと思っています.

出展物はすべて殆ど売り切れだったそうです.思った以上の賑わいをみせた蛍の畦道ですが,今回は,区長さんと河野さんの協力を得て,地区の背骨となる畦道だけではなく,一段下になる(川沿いに設置したステージ脇の)区長さんの田んぼの畦道の草を刈って,灯篭のライトアップを行ってみました.

区長さんの田んぼの川沿いの畦の曲線は実に見事です.丁寧に何度も泥を塗り固めてつくった畦にこの季節の田圃の緑が美しく映えます.畦の草叢の上に白い和紙に木の枝で作った灯篭をおくとなんともいえない風情があります.多くのアマチュアカメラマンの皆さんが,この畦が見える場所にカメラを据え,畦道を楽しそうに行き交う人々の写真を繰り返し撮影していたのが印象に残りました.

田舎でこのような活動をしていると,意味があるんですか,お金になるのですかとか,B/Cは(笑とか,とかいろんなことを言われます.そういうことを言い出す人にうまく返す言葉があるわけではないのですが,利潤だけで人間は生きていけないし,都会のSCの賑わいがホンモノかといわれたら,どこか返答に困るのではないでしょうか.

美しい風景の中で,人がどこからともなく集まってきて,自分たちでわいわい何か楽しそうなことを見つけて,心の底から楽しむ.懐かしいひとたちが集まって,好きな人どうしで手をつないでゆったり歩いて,会えば挨拶して会話を楽しむ。帰るときにはみんな名残惜しそうに振り返る.人が集まってくる風景は生きています.単に人がたくさんいるということと,そこに生きた風景があるということはずいぶん異なるように思うのです.僕には目黒の人たちがいるあの風景そのものに力があると思えます.

最後に栄之介くんと一緒に畦道を歩いていると,蛍が川べりから舞い上がり,畦道を横切りました.あの風景を帰りの車で何度も反芻しました.忘れがたい風景だと思いました.