しまなみ 八木亀三郎

風景づくり春の学校が終わりました.日曜の夜遅くまで皆さんお残りいただいて,粘り強い議論が行われ,たくさんの意見がでました.地元の婦人会の皆さんに作っていただいた鯛めしがおいしかったです.ありがとうございました.

  1. 八木亀三郎邸はすばらしい.
  2. 船大工の高度な技術にも通じる細かな家屋の設計,裏山からの眺めと広大な敷地の庭の回遊性は見事.しかし早急な手入れが必要.
  3. しかし波止浜今治)は,八木亀三郎邸だけではない.
  4. 波止浜の地の遺伝子ともいえる「海」からの眺めと動線ネットワーク,「船」の生かし方を考え抜くべき
  5. 壊れてしまいつつある地域の施設の保全が必要(しかし形あるものは必ず壊れる).
  6. 塩田の名残ともいえる専売公社跡が崩されたのが残念でならない.
  7. やはり全体のマスタープランが必要,海事都市構想が姿として立ち顕れるようなプランがほしい
  8. 子供たちへの「精神性」の伝承を盛り込みたい
  9. 今治は世界に対して発信できる「今」があるのだ.
  10. 私たち自身が今何かをしなければならない.

波止浜の公民館で八木亀三郎さんの写真を見ました.厳しい眼差しに射抜かれるような凄みがあります.まだ若い頃,単身ロシアに渡り日本で初めての3000トン級の蟹工船を造船するなど世界をまたにかけた生半可ではない実業家であった八木さんは,日銀特融第一号の指定を受けるにあってはすべての私財を投げ出しました.筋金入りの現実主義者であったのではないでしょうか.想像通りの風貌だと思いました.
ふわふわとまちづくりを語ったり,カタルシスを得るだけの批判を繰り返したり,批判を避けて無関心な第三者となることは容易です.実現するためには考え抜かれた計画と,タイミングをよみきった行動力が必要不可欠だと改めて思いました.