三原村-大月町 風景づくり作戦会議

Iryo2008-01-04

大月町の町田さんの強力なリーダーシップのもと,正月明け4日に三原村で総勢23人で風景づくりの作戦会議をしてきました.主な議題は以下のとおりです.
1.風景美術館のつくりかた

    金沢さんによると野町和嘉氏(http://www.nomachi.com/index.html)から700点ほどの写真(風景写真・巡礼写真)が役場に預けられているそうです.維持管理に注意が必要ですが,素材は間違いなく第一級.遍路との関連も深く三原村らしさを活かした展示が可能になりそうです.野町さんの生家や蔵が利用可能であればうまくリノベーションして風景写真館として風景レストラン(カフェ)との連携を図りたいところです(農家のリノベの例:http://fad.higo.tv/works_traditional.html) . よい写真やよい映像には風景を広め伝える力があります.地元のカメラ愛好会の皆さんが撮影した夜桜音楽会やどぶろくまつりの写真,各家庭にある旧い生活景の写真を集めてみるといったことからはじめてみるのもよいかもしれません.
2. 山茶花油のつくりかた
    保湿性にすぐれるヤブツバキと同種の山茶花を棕櫚の袋で圧搾して油を抽出する方法を矢野さんたちのグループが考えてくれています.家庭に残っている旧い農機具を使った農業体験は楽しそうですし,創る過程を教育と交流に活かせそうです.株数が確保できればキャメリア・ササンカと名づけてブランド化もよいかもしれません.村にたくさんある柿木の活かし方も考えたいです.
3. 風景づくりの学校
    8月から9月にかけて花を咲かせる絶滅危惧種のヒメノボタン,ヤブツバキのように1万株にひとつといわれる白い花があります.背が低く他種に負けやすいので,2回手鎌で雑草を刈ってなんとか.学校で育てるとよいのではないかと思いました.後は山茶花油,それから大月の桜,灯篭づくり,「今の山」で五感で感じる風景歩き,(通り一遍なマップづくりでは不十分なので)植物散歩図鑑づくりなどで年間を通じたカリキュラムを考えることになりました.
4. 同好の士をどうやってつくればいいのか
    仲間をつくること,人の輪をつくることは思いのほか難しいし,伝えたいことは伝わらず,流行に乗ったどうでもいいこと,成功すると群がるひとたち,大切でないことばかりがもてはやされます. だけど,高い場所からお金や立場を使って物事を動かしてもきっと地に足のついたことにはならないのではないでしょうか.子供たちへの教育もすごく重要だと思います.なにより子供さんを通じて周囲の大人がもう一度身近な風景を考え直すよい機会になるのでしょう. でも,きっとまずは自分たち自身(大人自身)が踏みとどまって,身近な風景やこの土地らしさを見つめなおし,すこしづつ掘り下げ,我慢強く対話と行動を続けていくことこそが,いちばん大切ではないでしょうか.子供たちは大人の背中を見て育ちます.