足摺岬

1日目:金剛福寺から鵜の岬まで,10km歩く.
昼過ぎ,夕方も近くなって,ようやく金剛福寺にたどり着きました.途中,桜の山とでもいえばいいのか.山にとにかくびっしり桜が咲いていていたのを見て,ああ春なんだと,どこかではっきり思う.金剛福寺足摺岬の突端にあって,その岬の先で中浜の像がすっくと海の向こうを見据えていた.この岬より向こうは九州になる.参拝をすませて歩き出しました.
大きな岩壁の脇の細い小経を抜け歩いていると,椿が遍路道に落ちているのが矢鱈に目について,見上げると自生している椿の巨木が目に入りました.足摺の断崖が圧倒的な質量をもっていて眼前に迫り,岩壁に絡まるつたの緑が青い空が鮮やに映えます.
真っ白な山桜の向こうに小学校の校庭が在り,その向こうに海が見える.海沿いをてくてく歩き,松尾集落の入り口にさしかかり,うすばえ(臼波の下に石)の洞門に落ちる夕日をしばらくの間見ていました.ここが赤道で発した黒潮が日本で最初にたどり着く接岸地と知り,八朔,月が岬の向こうに高くのぼりました.